雑記

映画とかアニメとか本とか漫画の話を書いたり書かなかったりします。殆ど更新はないと思いますが、一応。

前回の記事のお詫びと訂正と今後の展望について

前の記事が致命的な読み違いを起こしている可能性に気が付いたため、このような記事を作成させて頂きました。

前の記事が結果的に当初の私の目的を満たし得るものだったかどうかについては今回は置いておくこととします。

当初私は、山田尚子監督の作品において、普段アニメーションを見ている時にはそこに何か意味があるなど思わない色々なモノに意味が付与されていることを知るきっかけになれば、そしてあわよくばその作品の中で裏ストーリーとも言うべき働きをするそれらについて片鱗でも掴んで考察できれば、そしてこの作品を楽しめなかった人がもう一度映画館に足を運ぶきっかけになれば、などと思いあのような記事を作成しました。

あの記事がその目的を達せられていたかについては正直難しいだろうというのが率直な感想ですが、くどいようですがそれに関しては今回は不問ということにします。

実は、現在ももう一つ記事を書いていたところなのですが、各種インタビューを読む中で、私はこの作品について致命的な勘違いをしていたのではないか?という疑念を持ちました。

読んでいたのはこれらの記事です。

山田尚子監督インタビュー>『けいおん!』と『リズと青い鳥』奏でる音の違いとは? 瞬きの速度に込めた“少女たちの禁忌” [T-SITEニュース エンタメ] http://top.tsite.jp/entertainment/cinema/i/39532050/?sc_cid=tcore_a99_n_adot_share_tw_39532050

最後の「ピン」という音で希美の幸せを願った―牛尾憲輔が語る「リズと青い鳥」と音楽(1)|Zing! https://eonet.jp/zing/articles/_4102098.html

あの後、第二楽章について少し勉強したのですが、前の記事に書いてある内容に関して、特にズレがあるようには感じませんでした。

勿論、間違いは複数あるんですがそれそのものが根本的に揺らぐような内容的間違いは見受けられなかった…と思います。

私にはそれが不思議でなりませんでした。

水のモチーフは池、水槽、蛇口から出る水(停滞、羊水、時間の流れ?)、階段(というか階、階段を降りる話との言及あり、ただそれ以上の意味は…?)、花言葉およびその花の象徴的意味(調べている途中)etc...

過去作品で一騎当千の活躍をしていたそれらが今回は物語に従属していると感じました。

率直に言いますと、そこに監督からのメッセージのようなものが読み取れなかった、のです。裏に込めた何か、という事になります。

勿論、私が見落としている可能性も高く、知識のある方であればように読み取ることが可能なのかもしれません、が、私は他の可能性について考えました。

そもそも、リズと青い鳥は響けユーフォニアムの外伝、にあたる位置付けになると思います。

石原立也監督による作品であり、シリーズ演出を担当されてはいるそうですが自分がメインで作ってきた作品である、とは言わない…と思います。

正直、リズと青い鳥を見ている時に私はほとんどこれが響けユーフォニアムとの関わりのある作品であることを意識しませんでした。前の記事でもお話ししましたが私は吹奏楽部がダメなので、原作の方はダメだったのですが特に拒否反応も出ず最後まで楽しく(楽しく?)見ることが出来ました。公式サイトも分けられており、リズと青い鳥のホームページ内でもあまりユーフォニアムという作品は意識されません。

そのため、私はこれが響けユーフォニアムの外伝であることを完全に失念していた(もしくは敢えて無視していた)事に気が付きました。

リズと青い鳥山田尚子×武田綾乃 対談 少女たちの緊迫感はいかにして描かれたか http://kai-you.net/article/52799 より

>>山田 そう言っていただけるとうれしいです。私自身は2人に「添い遂げてほしい」派なんですよ。

だけど原作を読んでいると、つくり手としての自分が2人の関係性をいじってしまうことが一番不幸なことだと思ったんです。

小説で描かれていたことを自分の解釈でねじまげないことが、監督である私の責任だと思いました。

という事を、純粋に物語のラストまで描かなかったことそのものだと思っていたのです。

そもそも、モチーフは見る人が見ないと(もしくは見ても)分からないものですから、そこは自由に作るものだろうと思ってもいた、というのもあります。

ただ、今回の作画及び劇伴に対する並々ならぬ気合の入れようと、前述したモチーフの話を考えると今回力を入れたのはそこではないのではないか?と思ったのです。

リズと青い鳥山田尚子監督「彼女たちの言葉だけが正解だと思われたくなかった」|Zing! https://eonet.jp/zing/articles/_4101959.html

けいおん!』『聲の形』の監督・山田尚子が“ユーフォニアム”シリーズ最新作で挑戦した美学「物語より世界を作りたい」 | 週プレNews http://wpb.shueisha.co.jp/2018/04/26/103867/

の通り、今回は映像そのものに情報の多くを込めたのではないか、より正確に言うのであれば、映像にすることで、言葉による表現を削ることで、情報をより曖昧化させ、極限まで自分の解釈の入り込む余地を無くしたのではないか?と思ったのです。(これが自分の解釈で捻じ曲げないという事であり、ある意味自分の作品ではない作品への向き合い方のようなものなのかなあといった感じです。

つまり、瞬き、髪の毛を弄る手、目線、歩き方etc...といった彼女たちの一挙手一投足に、そして裏で流れる音楽に意味を込めたのではないか?そう思ったのです。

(注釈)

音楽に関しては未だ確認が取れていないのでここで詳しく触れることは避けますが、何かしらのサウンドトラックを聞いたことがある人ならご理解頂けるかと思いますが普通、作品内で使われる音楽というのはある特定の場面のみで使われるものではなく、その作品の様々なところ、要所要所で用いられるものですが、本作においてはある特定の場面に対して一つの音楽といったように、贅沢な使い方をしている可能性が(あくまで可能性ですし、全ての楽曲ではなく一部の楽曲かもしれませんが)あります。

私個人としては、それで何かを伝えようとするのは無理ではないか?というのが感想です。

が、その一方でこの監督なら、京都アニメーションならそれをやりきってしまうのではないか、90分を可能な限り意図的に描くことが出来るのではないか(見た映像に対してここでこういう仕草をしているのは、目線がこう運ばれているのは単純に作画担当者が描きやすかったからではなく目的があってのことなのではと安心して考えられるのでは)とも思いました。

実写と違い、アニメーションは描かないと映像が動きませんし、また、物の形、大きさ、動き方に至るまで実写よりは融通が効きますから、そこに対する安心感は実写より担保しやすいかと思います。(今ならCGがありますが今回は置いておくこととします。アスファルトの凹み方が自分の意に沿わないからといってCGで修正する、なんてことは考えにくいですから…)

そもそも、そういった表現(よく言われるのは足)はこれが初出のものではなく元々監督作品では御馴染みの表現ですから、そういう曖昧な(色々な取り方のできる)表現に何らかの意図を見るのは、それほど困難なことではないはずです。

また、それならこの作品が映画館で最も効果を発揮する、というのも腑に落ちるとも思いました。(映画館の方が映像と音楽を体感しやすいですから

何かの情報を得るとき、そこからどれほどの情報を得られるかというのはその人のスペックによって変わると思います。ですが、見た情報全てを覚えておく、なんてことはまず無理で、皆どこかしら情報の取捨選択を行なっているはずです。

前述しました私の致命的な勘違いというのはその事であり、その、一挙手一投足の情報を見ること、その情報を得ることを取捨選択してしまっておりまして、そもそもこの作品が作品考察(というか読み取り)に向いていない事に気がつくのにここまでかかってしまった事にあります。

(注釈)

ですので、前記事のラストにおける結末が描かれなかったため、先は見る人によって変わるというのは監督の”意思”の元行われたものではなく、結果的にそうなってしまっただけ、という事になると思います。かなり致命的な間違いだと思います。

ハッピーアイスクリームに関してはそういうゲームがあったことは調べて分かりましたが結局みぞれのハッピーアイスクリームの意味取り(する必要があるのかはわかりませんが)には特に問題なさそうでしたので、まあ大丈夫かな?と思っています。

もう一度映画を観に行くことが物理的に困難なため、結局私にはこの記事でここまで書いてきたそれが本当にそうなのか、はたまたこれも私の勘違いでいつも通りモチーフを紐解けば何か出てくるのか、は正直調べることが出来ません…

近所の映画館でも放映してくれると良いのですが…

そもそも、キャラクターの感情の機微に対してかなり詳細に語ることは、原作の小説の方が得意な分野でありますし、私みたいに吹奏楽部が苦手で原作が見れないとかいう奇特な人間以外は素直に原作を読めばいいわけですから、そういった言葉による情報を削って画面表現と音だけで作り込んでいくのはこの作品でしか出来ない事だとも思います。

つまり、思いっきり見方を間違えていて、見えないものが見えてしまった可能性が高いという事になります。

大変申し訳ありませんでした…

今後の展望について

前の記事ですが、己の反省のためと、まああれはあれでそういう見方を提供する一助にはなるかな…とも思ったので開き直ってそのままにしてついでに今書いているそれも最後までかき上げようかなあと考えています。

ただ、先程確認して分かったのですが今作っている記事には劇場版ユーフォニアムのネタバレが含まれるようなので投稿タイミングについては少し考えることにします。(そもそもいつ書き終わるのかがわかりませんが…)

また、近々友人が見に行くそうなので感想を聞いてみようと思います。

お詫びの割にやけに長いものになってしまいました。すみません…

また、機会がありましたらよろしくお願い致します。

追伸

リズと青い鳥」スタッフ・キャスト インタビューまとめ - なつみかん@はてな

https://tangerine.hateblo.jp/entry/2018/05/12/173020

という方のブログが概ねリズと青い鳥関連のインタビューを網羅しており、また大変見やすいので気になった方は是非。